○白石市農業次世代人材投資事業補助金交付要綱
令和3年3月23日
告示第35号
(趣旨)
第1条 市長は、青年の就農意欲の喚起と就農後の定着を図るため、経営の不安定な就農初期段階の青年就農者等に対して経営開始型の農業次世代人材投資事業補助金(以下「補助金」という。)を交付することとし、その交付等に関しては、農業人材力強化総合支援事業実施要綱(平成24年4月6日付け23経営3543号農林水産事務次官依命通知。以下「実施要綱」という。)、農業経営基盤強化促進法(昭和55年法律第65号。以下「基盤強化法」という。)、宮城県農業次世代人材投資事業補助金交付要綱(平成24年6月15日付け農振第178号宮城県農林水産部長通知)及び白石市補助金等交付規則(平成17年白石市規則第3号。以下「規則」という。)に定めるもののほか、この要綱の定めるところによる。
(1) 交付対象者の独立・自営就農時の年齢が、原則50歳未満であり、次世代を担う農業者となることに強い意欲を有していること。
(2) 次に掲げる要件を満たす独立・自営就農者であること。
ア 農地の所有権又は利用権(農地法(昭和27年法律第229号)第3条に基づく農業委員会の許可を得たもの又は同条第1項各号に該当するもの、基盤強化法(昭和55年法律第615号)第19条に基づく公告があったもの、農地中間管理事業の推進に関する法律(平成25年法律第101号)第18条に基づく公告があったものをいう。)を交付対象者が有していること。
イ 主要な農業機械・施設を交付対象者が所有し、又は借りていること。
ウ 生産物や生産資材等を交付対象者の名義で出荷・取引すること。
エ 交付対象者の農産物等の売上げや経費の支出などの経営収支を交付対象者の名義の通帳及び帳簿で管理すること。
オ 交付対象者が農業経営に関する主宰権を有していること。
(3) 基盤強化法第14条の4第1項に規定する青年等就農計画の認定を受けた者であること。ただし、交付期間中に、同法第14条の5第2項に規定する認定の取消しを受けた場合及び同条第3項に規定する認定の効力を失った場合を除く。
(4) 青年等就農計画に、農業次世代人材投資資金申請追加資料(様式第1号)を添付したもの(以下「青年等就農計画等」という。)の内容が次に掲げる要件に適合していること。
ア 農業経営を開始して5年後までに農業(農業生産のほか、農産物加工、直接販売、農家レストラン、農家民宿等関連事業を含む。)で生計が成り立つ計画であること。
イ 計画の達成が実現可能であると見込まれること。
(5) 経営の全部又は一部を継承する場合は、継承する農業経営に従事してから5年以内に継承して農業経営を開始し、かつ、交付期間中に、新規作物の導入、経営の多角化等経営発展に向けた取組を行い、新規参入者(土地や資金を独自に調達し、新たに農業経営を開始した者をいう。)と同等の経営リスクを負って経営を開始する青年等就農計画等であると市長に認められること。なお、一戸一法人(原則として世帯員のみで構成される法人。)以外の農業法人を継承する場合は交付の対象外とする。
(6) 人・農地プラン進め方通知の2の(1)の実質化された人・農地プラン、同通知3により実質化された人・農地プランとみなすことができると判断できる既存の人・農地プラン及び同通知4により実質化された人・農地プランとして取り扱うことのできる人・農地プラン以外の同種の取決め等をいう。以下同じ。)に中心となる経営体として位置づけられ、又は位置づけられることが確実と見込まれること、あるいは農地中間管理機構から農地を借り受けていること(以下「人・農地プランに位置づけられた者等」という。)。
(7) 次に掲げる要件を満たすこと。
ア 原則として生活費の確保を目的とした国の他の事業による給付等を受けていないこと。
イ 実施要綱別記2の農の雇用事業による助成金の交付を受けておらず、かつ過去に受けていないこと。
ウ 経営継承・発展等支援事業実施要綱(令和3年3月26日付け2経営第2988号農林水産事務次官依命通知)別記1の経理継承・発展支援事業による補助金の交付を現に受けておらず、かつ過去に受けていないこと。
(8) 園芸共済の引受対象となる施設を所有する場合は、当該施設について、気象災害等による被災に備えて、園芸施設共済、民間事業者が提供する保険又は施工業者による保証等に加入している、又は加入することが確実と見込まれること。
(9) 前年の世帯全体の所得が600万円以下(被災による資金の交付休止期間中の所得を除く、以下同じ。)であること。ただし、当該所得が600万円を超える場合であっても、生活費の確保の観点から支援対象とすべき切実な事情があると市長が認める場合に限り、採択及び交付を可能とする。
(10) 就農する地域における将来の農業の担い手として、地域のコミュニティへの積極的な参加に努め、地域の農業の維持・発展に向けた活動に協力する意思があること。
(補助金の交付額及び期間)
第3条 補助金の額は、次のとおりとする。
(1) 経営開始初1年目から3年目まで 交付期間1年につき1人あたり150万円
(2) 経営開始4年目以降 交付期間1年につき1人あたり120万円
2 夫婦で農業経営を開始し、次に掲げる要件を満たす場合は、交付期間1年につき夫婦合わせて前項で定める額に1.5を乗じて得た額(1円未満は切り捨て)を交付する。
(1) 家族経営協定の普及推進による家族農業経営の近代化について(平成7年2月7日付け7構改B第103号農林水産省構造改善局長、農蚕園芸局長連名通知)に基づく家族経営協定を締結しており、夫婦が共同経営者であることが規定されていること。
(2) 主要な経営資産を夫婦で共に所有し、又は借りていること。
(3) 夫婦共に人・農地プランに位置づけられた者等となること。
4 補助金の交付期間は、最長5年間とする。
2 前項に規定する交付申請は、半年分又は1年分を単位として行うことを基本とし、原則として、交付申請をする補助金の対象期間の初日から1年以内に行うものとする。
(補助金の交付等)
第6条 市長は、交付申請書を受理したときは、規則第6条第1項の規定により、当該申請に係る書類等を審査し、速やかに補助金等の交付の可否を決定するものとする。
2 市長は、前項の請求を受理したときは、その内容を審査し、その請求が適当であると認めるときは、速やかに補助金を交付するものとする。
(青年等就農計画等の変更申請)
第8条 受給適格者が青年等就農計画等を変更しようとするときは、青年等就農計画等承認[変更]申請書(様式第2号)により、あらかじめ市長に計画の変更を申請しなければならない。ただし、追加の設備投資を要しない程度の経営面積の拡大や品目ごとの経営面積の増減等の変更で、補助金の額に影響を及ぼさない軽微な変更の場合は、この限りでない。
(農業経営の休止等)
第10条 受給者が補助金の交付期間中に農業経営を休止するときは、市長に対し休止届(様式第8号)を提出しなければならない。この場合において、休止期間は、原則として1年以内とする。
2 市長は、前項の休止届を受理したときは、その内容を審査し、農業経営の休止が病気等やむを得ない理由によるものであると認められるときは、補助金の交付を休止し、やむを得ない理由によるものであると認められないときは、補助金の交付を中止する。
4 市長は、前項の経営再開届を受理したときは、その内容を審査し、適切に農業経営が再開できると認めるときは、補助金の交付を再開する。
3 受給者は、補助金の交付期間内及び就農継続期間中に氏名、居住先、電話番号等を変更したときは、変更後1か月以内に、住所等変更届(様式第12号)を市長に提出しなければならない。
5 受給者は、就農継続期間中に農業経営を中止し離農したときは、離農後1か月以内に離農届(様式第15号)を市長に対し提出しなければならない。
(サポートチーム)
第12条 市長は、受給者が抱える課題に対応できるよう、宮城県大河原農業改良普及センター、みやぎ仙南農業協同組合、株式会社日本政策金融公庫等金融機関、白石市農業委員会の各関係機関に所属する者及び指導農業士等の関係者で構成するサポート体制(以下「サポート体制」という。)を構築するものとする。
2 市長は、サポート体制等を記載した新規就農者に対するサポート計画(様式第19号。以下「地域サポート計画」という。)を新規就農者の支援ニーズを把握した上で作成し、公表するものとする。
3 市長は、サポート体制の中から、交付対象者ごとに「経営・技術」「営農資金」「農地」のそれぞれの専属の担当者(サポートチーム)を選任し、交付対象者の上記各課題の相談先を明確にするものとする。
4 令和3年度以降に採択された交付対象者のサポートチームには、新規就農者の農業経営、地域生活等の諸課題に対して適切な助言及び指導が可能な農業者の参加を必須とする。
5 サポートチームは、交付対象者が早期に経営を安定・発展させ地域に定着していけるよう、次の事項を行うものとする。
(1) 就農状況の確認、助言及び指導
(2) 中間評価会の参加
(3) 中間評価の結果において、令和2年度以前に採択された交付対象者についてはB評価相当の者、令和3年度以降に採択された交付対象者についてはA評価相当の者のうち重点指導が必要な者であると判断された者に対する重点指導の実施
6 サポート体制の関係者は、交付対象者が早期に経営を安定・発展させ、地域に定着していけるよう、次の事項を行うものとする。
(1) 青年等就農計画等作成への助言及び指導
(2) 審査への参加
(就農状況の確認)
第13条 市長は、第11条第1項の規定による事業実績(就農状況)報告書の提出を受けたときは、サポートチーム等の関係者と協力し、受給者の就農状況が「交付対象者の考え方」を満たしているかどうか実施状況を確認し、必要な場合は適切な助言及び指導を行うものとする。
(1) 交付決定対象者への面談
ア 営農に対する取組状況
イ 栽培・経営管理状況
ウ 青年等就農計画等達成に向けた取組状況
エ 労働環境等に対する取組状況
(2) ほ場確認
ア 耕作すべき農地が遊林化されていないか
イ 農作物を適切に生産しているか
(3) 書類確認
ア 作業日誌
イ 帳簿
ウ 農地の権利設定の状況が確認できる書類
4 市長は、第11条第4項の規定により就農を中断した者の就農再開に向けた取組状況を適宜確認し、就農再開に向けたフォローアップを行うものとする。
(中間評価)
第14条 市長は、サポートチーム等の関係機関で構成する評価会を設置し、経営開始3年を経過した受給者の農業所得及び農業収入等の状況や経営課題等を交付対象者及びサポートチームを中心とした地域の関係機関が確認し、経営改善に役立てるとともに、青年等就農計画の達成に向けて指導が必要な者に対して重点的にサポートするため、中間評価を実施するものとする。
2 前項の中間評価における評価区分はA(順調)又はB(順調ではない)の2段階とする。
4 第2項の評価区分のうちAに該当するものは次のいずれかに該当するものとする。
(1) 経営開始3年目の農業所得が、青年等就農計画における経営開始5年目の農業所得目標(以下「農業所得目標」という。)の概ね2分の1を達成する者
(2) 第1号の基準を達成できていないが、次に掲げるいずれかに該当する者で、農業所得目標の達成が見込まれると市長が認める者
ア 設備投資等の経費がかさんだことが原因で経営開始3年目の農業所得か農業所得目標の概ね2分の1を達成していないが、経営開始3年目の農業収入が、別紙様式第1号の別添1の収支計画における経営開始5年目の農業収入目標(以下「農業収入目標」という。)の概ね2分の1に達している者
イ 災害による収量低下、市場価格の下落等、本人の責によらない原因により農業所得目標又は農業収入目標の概ね2分の1を達成できていない者
(1) A(順調)の者 引き続き補助金の交付を継続するものとし、希望する者には第20条に規定する経営発展支援金を交付する。この場合において、農業所得目標の達成に向けて重点指導が必要な者であると評価会で判断された者については、サポートチームが中心となって重点指導を行う。
(2) B(順調ではない)者 補助金の交付を中止する。
(3) C(不良)の者 補助金の交付を中止する
(補助金の交付停止)
第16条 市長は、受給者が次の各号のいずれかに該当するときは、補助金の交付を停止する。
(1) 第2条の要件を満たさなくなった場合
(2) 農業経営を中止した場合
(3) 農業経営を休止した場合
(4) 第11条に定める事業実績(就農状況)報告書を提出しなかった場合
(5) 第13条の規定による就農状況の確認により、「交付対象者の考え方」を満たさない等、適切な農業経営を行っていないと市長が判断した場合
(6) 国が実施する報告の徴収又は立入調査に協力しない場合
(7) 第14条に規定する中間評価によりB評価相当と判断された場合
(8) 前年の世帯全体の所得が600万円を超えた場合
2 市長は、前項第8号の規定に該当することにより補助金の交付を停止した受給者の世帯全体の所得が600万円を下回ったときは、当該年の翌年度から交付を再開することができる。ただし、当該所得が600万円を超える場合であっても、生活費の確保の観点から支援対象とすべき切実な事情があると市長が認めるときは、補助金を交付することができるものとする。
(補助金の返還等)
第17条 受給者が、次の各号のいずれかの場合に該当するときは、補助金の一部又は全部を市長に返還しなければならない。
(3) 虚偽の申請等を行った場合 虚偽の申請等を行った対象年度の補助金の全額
(1) 前項第1号に該当した場合の返還金額 要件に該当した時点が既に交付した補助金の対象期間中である場合にあっては、残りの対象期間の月数分(当該事項に該当した月を含む。)の補助金額
(2) 前項第2号に該当した場合の返還金額 交付済みの補助金額の総額に、就農を継続しなかった期間(月単位)を交付期間(月単位)で除した値を乗じた額
(3) 前項第3号に該当した場合の返還金額 補助金の全額
(就農の継続)
第18条 受給者は、第3条第4項に定める補助金の交付期間(休止等、実際に交付を受けなかった期間を除く。以下「交付期間」という。)が終了した後においても、交付期間を超える期間、交付期間に営んでいたときと同程度の営農を続けなければならない。
(補助金の返還免除)
第19条 市長は、第17条第1項の規定による補助金の返還について、その原因が病気、災害等のやむを得ない事情によるものと認めるときは、補助金の返還を免除することができる。
2 補助金の返還の免除を受けようとする受給者は、返還免除申請書(様式第18号)により、市長に申請しなければならない。
3 市長は、前項の申請を受理したときは、その内容を審査し、速やかに補助金の返還免除の可否を決定するものとする。
4 市長は、前項の規定により補助金の返還免除の可否を決定したときは、その旨を申請者に通知するものとする。
(経営発展支援金交付申請書等)
第20条 第14条に規定する中間評価でA評価相当とされた受給者は、経営発展支援金(以下「支援金」という。)の交付を受けることができる。
2 支援金の額及び支援対象期間は、実施要綱別記1の第10の3及び4に定めるとおりとする。
(支援金の交付申請等)
第21条 支援金の交付を希望する受給者は、経営開始4年目の交付対象期間中に、経営発展支援金交付申請書(様式第1号の別添8)により、市長に申請しなければならない。
2 市長は、前項の申請を受理したときは、その内容を審査し、受給者のさらなる経営発展につながる取組であると認める場合は、承認し、支援金の交付の可否を決定するものとする。
3 市長は、前項の規定により取組の承認及び支援金の交付の可否を決定したときは、その旨を申請者に通知するものとする。
2 市長は、前項に規定する実績報告を受理したときは、その内容を審査し、実績報告の承認の可否を決定するものとする。
3 市長は、前項の規定により実績報告を承認したときは、速やかに支援金の精算を行う。
(その他)
第23条 市長は、補助金の交付に当たり必要があると認めるときは、受給者に対し、必要な事項の報告を求め、現地への立入調査を行うことができる。
2 市長は、青年等就農計画等や交付申請書等の提出があった場合、データベースに交付情報等を速やかに登録するものとする。
3 市長は、農業共済組合と連携し、受給者に対し、経営の安定を図るため、農業共済その他の農業関係の保険への積極的な加入を促すものとする。
4 市長は、本事業の実施に際して得る個人情報については、農業次世代人材投資事業に係る個人情報の取扱いについて(別紙)により適切に取り扱うものとする。
(委任)
第24条 この要綱に定めるもののほか、補助金の交付に関し必要な事項については、別に定める。
附則
(施行期日)
1 この告示は、令和3年4月1日から施行する。
附則(令和4年3月29日告示第51号)
(施行期日等)
1 この告示は、令和4年3月29日から施行する。
(経過措置)
2 この告示による改正後の白石市農業次世代人材投資事業補助金交付要綱の規定は、令和3年4月1日以後に承認を受けた者から適用し、それ以前に承認を受けた者は、なお従前の例による。
附則(令和5年3月20日告示第29号)
この告示は、令和5年4月1日から施行する。